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自律神経のバランス
仕事上のノルマや人間関係、長時間労働、家庭内の問題等で、ストレスが多い日々を送っていれば、いくらタフな人でも心身共に衰弱していきます。
人はストレスを受けると、交感神経が優位になります。
交感神経とは?
交感神経は心身共にアクティブにする神経。
運動中や緊張、興奮時、つまり頑張っている時に交感神経が優位になります。クルマに例えるならば、アクセルペダルを踏みこんでいる状態。
しかし、いつまでもアクセルペダルを踏み続けることはできません。そこで、人は本能的に交感神経優位の状態から、副交感神経優位の状態に戻したくなります。
副交感神経とは?
副交感神経は心身共にリラックス状態にする神経。人がリラックスモードに入るには、入浴や飲食が代表的。
入浴
副交感神経を優位にするための代表として「入浴」。入浴によって、体が温まり、血流が良くなるため体温が上昇し、高いリラックス効果があります。
飲食
次に、「食べること」。食べることで、副交感神経が優位になります。
よく、「ストレス太り」という言葉を耳にすることがあると思います。これは、ストレスを受け続けると、「太る」という意味ではありません。
人はストレスを受け続けていると、無性に食べたくなります。人は食べることで、心身共にリラックスモードに入り、心地良く感じるのです。適度なお酒も副交感神経が優位になるサポート役となります。
ストレスを受け続けると、ついつい食べてしまうから太ってしまう…これが、ストレス太りのメカニズムです。
自律神経
交感神経と副交感神経はシーソーの関係にあり、自律神経と呼ばれます。このバランスが崩れることで、自律神経失調症の状態に陥ってしまいます。
自立神経を適切にバランスさせるためには、ONとOFFを切り替えて休む時は心身がリラックスできるような生活環境を整える必要があります。
その中で、栄養素の摂取は大切な要因の1つです。
ビタミンとミネラル
人にとって、ビタミンとミネラルは必須栄養素。一部を除いて、体内でビタミンやミネラルを生成できません。しかも、ビタミンとミネラルは身体にとって消耗品。
人が生きていくためには、三大栄養素が必要。これは、
- 糖質(炭水化物)
- たんぱく質
- 脂質
以上の3つ。
これらは、生きていくための基本的な栄養素。しかし、これらだけでは役不足です。
体内に入った栄養素が効果的に吸収されるためには、サポート役の
「ビタミン(有機化合物)」
「ミネラル(無機質)」が必須。
これらを含めて五大栄養素と呼ばれます。
では、ビタミンとミネラルの働きを順に整理していきましょう。
ビタミン
ビタミンA
水溶性 | 脂溶性 |
ビタミンAは目の機能や皮膚、粘膜をサポートする栄養素です。
【働きと作用】
- 皮膚、粘膜を正常に保つ
- 視力を正常に保つ
- 発がんの抑制
- 感染症に対する抵抗
- 免疫機能をサポート
- 生殖機能をサポート
【ビタミンAを含む食品】
レバー(鶏、豚)、うなぎ、ニンジン、イワシ、マグロなど
※脂溶性ビタミンは油を使って調理した方が体に吸収されやすくなります。
ビタミンD
水溶性 | 脂溶性 |
- カルシウムの代謝をサポートし、丈夫な骨や歯を作るために作用
- 細胞分裂の調節
ビタミンDは、紫外線を浴びることによっても生成されます。人が紫外線を浴びると、体内で活性酸素が発生しますが、「紫外線=悪」とは言えない一面があります。
【働きと作用】
- 小腸からのカルシウムとリンの吸収を促進
- 骨粗鬆症の予防
- 異常細胞の正常化
【ビタミンDを含む食品】
魚、キノコ類(干しシイタケ)、たまごなど
※脂溶性ビタミンは油を使って調理した方が体に吸収されやすくなります。
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンE
水溶性 | 脂溶性 |
- 抗酸化作用(ビタミンEが活性酸素と結びつくことで、細胞膜を酸化から守ります。)
- 溶血性貧血の予防
- 血行の促進
【働きと作用】
- 老化予防(活性酸素から守る)
- 動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中の予防
- 血行の促進
- 生殖機能の向上
- 免疫力アップ
- がん細胞の成長を妨げる
【ビタミンEを含む食品】
ナッツ類、植物油、米の胚芽
※脂溶性ビタミンは油を使って調理した方が体に吸収されやすくなります。
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンK
水溶性 | 脂溶性 |
- 出血時、ビタミンKが凝固因子のタンパク質をサポートして、かさぶたができる
- 骨を丈夫に保つ
【働きと作用】
- 骨粗鬆症の予防
ビタミンK1:
- ほうれん草などの緑黄色野菜や海藻に含まれています。
ビタミンK2:
- 納豆などの発酵食品に含まれています。
※脂溶性ビタミンは油を使って調理した方が体に吸収されやすくなります。
ビタミンB1
水溶性 | 脂溶性 |
- 細胞が糖質を分解してエネルギーとして利用する時、ビタミンB1が必要
- 神経系の働きを正常に保つ役割
【働きと作用】
- 成長促進
- 食欲増進
- 中枢神経の働きをサポート
- 脳と関係が深く、アルツハイマー痴呆症の患者に投与
【ビタミンB1を含む食品】
豚肉、うなぎ、玄米、ごま、ナッツ類、豚肉など
※水溶性のビタミンB1は水に溶けやすいため、玄米をとぐときは手早くするのがコツです。
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンB2
水溶性 | 脂溶性 |
- 脂肪を燃やしてエネルギーに変わる時、補酵素として作用
【働きと作用】
- 体内の過酸化脂質の分解をサポート
- ホルモン調整
- 神経系の働きをサポート
- 動脈硬化や心臓病等の生活習慣病の予防
【ビタミンB2を含む食品】
レバー(牛、鶏)、うなぎ、納豆、ヨーグルト、ほうれん草
※水溶性のビタミンB2は光に弱い性質がありますから、保管に注意が必要です。
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンB6
水溶性 | 脂溶性 |
- 皮膚疾患や神経障害を予防
- アミノ酸の代謝をサポート
- 神経伝達物質GABAの合成にビタミンB6が必要
【働きと作用】
- タンパク質の合成、分解に必要
- 健康な皮膚や髪、歯をつくる
- 女性の月経前症候群(PMS)に有効とされている
【ビタミンB6を含む食品】
植物性食品、動物性食品共に含まれる。マグロ、かつお、玄米、鮭、あじ、さば、にんにくなど
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンB12
水溶性 | 脂溶性 |
- 悪性貧血を予防
- 葉酸と共にDNAの主成分である核酸の合成に必要なビタミン
【働きと作用】
- 悪性貧血を防ぐ
- 腰痛などの末梢神経の修復の促進
- 睡眠障害の緩和
- 神経系の働きをサポート
- 心筋梗塞や脳卒中のリスク低減
【ビタミンB12を含む食品】
あさり、しじみ、貝類、レバー(牛・鶏)、卵、乳製品など
[米国の医師が処方するサプリメント]
ビタミンC
水溶性 | 脂溶性 |
- コラーゲンの合成に必要なビタミン
【働きと作用】
- ビタミンEとの同時摂取で抗酸化作用
- 老化やがんの予防
- 肌のしみ予防
- 風邪の予防
- 血圧の改善
- 動脈硬化予防
【ビタミンCを含む食品】
アセロラ、ブロッコリー、芽キャベツ、キウイ、野菜&果物全般
※水溶性のビタミンCは熱や空気に弱い性質があります。手早く調理することが大切です。
[米国の医師が処方するサプリメント]
パントテン酸
水溶性 | 脂溶性 |
- ストレスへの抵抗力をサポート
- 糖質、タンパク質、脂肪の代謝に関係
- コレステロールや各種ホルモンの合成をサポート
【働きと作用】
- 皮膚の炎症を防ぐ
- ストレスの防御作用
【パントテン酸を含む食品】
レバー(鶏・豚・牛)、豆類、うなぎなど
ナイアシン(ニコチン酸)
水溶性 | 脂溶性 |
- 糖質や脂質、アルコールの代謝を助ける
- 血液循環をサポートし、細胞に栄養素を補給し老廃物の除去
【働きと作用】
- コレステロール値や中性脂肪を低下させる
- 偏頭痛の緩和
- 血圧を下げる
【ナイアシンを含む食品】
たらこ、かつお、マグロ、青魚全般、鰹節、落花生など
葉酸
水溶性 | 脂溶性 |
- 細胞分裂や増殖に深く関与
- 抗貧血作用
【厚生労働省の発表】
妊娠中、授乳期の方は、積極的な葉酸の摂取が推奨されています。(推奨量:葉酸、1日400μg)
【働きと作用】
- 赤血球の産生
- ビタミンB12やB6と一緒に摂取することで、心筋梗塞や脳卒中の低減
- 抗がん作用
- 先天性奇形のリスクの軽減
【葉酸を含む食品】
ほうれん草、キャベツ、レバー(鶏・牛・豚)、枝豆、胚芽、大豆、乳製品、卵など
ビオチン
水溶性 | 脂溶性 |
- 白髪やはげの予防
- DNAの成分となる核酸が作られる過程でビオチンが作用し、細胞の増殖を促進
【働きと作用】
- 皮膚炎の軽減
- 白髪や脱毛の予防
- 筋肉痛の緩和
- 不眠やうつの緩和
【ビオチンを含む食品】
レバー(豚、牛)、いわし、玄米、大豆など
ビタミン様作用物質
ビタミン様作用物質はビタミンと同じような作用があります。
ビタミンP(コエンザイムQ)
抗酸化作用によって、動脈硬化や高血圧の予防に効果があるとされ、心疾患と関りがあると考えられています。
[米国の医師が処方するサプリメント]
リポ酸
リポ酸はビタミンB1とともに酵素として働き、抗酸化作用があります。体内で合成されるので、欠乏症は無いと考えられています。
カルニチン
利尿、血圧の降下、胃液分泌の促進作用があります。
[米国の医師が処方するサプリメント]
フラボノイド
フラボノイドは植物の葉や花に含まれる天然色素です。抗酸化作用があり、発がん抑制効果があります。また、血液中に溶け込んで、動脈硬化を予防します。
【フラボノイドを含む食品】
大豆、玉ねぎ、ブルーベリー、ラズベリー等のベリー種、ハーブなど
マルチビタミン・サプリメント
ビタミン摂取の基本は食事からです。そして、野菜や果物が不足しがちな毎日の生活をサポートするのが、マルチビタミン・サプリメントです。
[米国の医師が処方するサプリメント]
[米国の医師が処方するサプリメント]
ミネラル
ナトリウム
ナトリウムはミネラルの中で有名な必須要素。カリウムと共に作用して、血圧と浸透圧の調整を担っています。1日の摂取量は10g未満が望ましいとされ、摂取過多は高血圧の原因とも言われます。
【ナトリウムを含む食品】
味噌、醤油等
マグネシウム
マグネシウムの約60%は骨に含まれ、体内の補酵素として作用します。マグネシウムは体外に排出されやすく、不足しがちです。
【マグネシウムを含む食品】
そば粉、玄米、するめ、麦、ナッツ類など
リン
リンはカルシウムと共に、骨や歯を作るために必要なミネラル。摂りすぎるとカルシウムが体外へ排出されてしまいます。
【リンを含む食品】
大豆、玄米、卵黄、肉、魚介類、小魚、糠など
カリウム
カリウムはナトリウムに対抗し、血圧を下げる作用をします。カリウムは成長と分裂、筋肉の伸縮など、幅広い作用に関わっています。
【カリウムを含む食品】
するめ、アボカド、切り干し大根、海藻類、豆類、野菜、果物等の幅広い食品
カルシウム
カルシウムは骨や歯を作るミネラル。他に、神経の機能を支え、筋肉の機能にも作用します。カルシウムが不足すると、骨に蓄えられているカルシウムが血液に移動します。この状態が続くと骨の強度が低下します。
【カルシウムを含む食品】
干しエビ、納豆、小魚、海藻、緑黄色野菜など
[米国の医師が処方するサプリメント]
クロム
糖質、脂質の代謝に関わっているミネラルで、血糖値をコントロールする働きがあります。
【クロムを含む食品】
玄米、ごま、はまぐり、魚、ひじき、ミネラルウォーター等
マンガン
マンガンは肝臓で働く酵素を活性化させます。
【マンガンを含む食品】
シナモン、小麦、玄米、緑黄色野菜、ナッツ類、干しシイタケ、海藻類など
鉄
鉄は血液中に溶け込んで、赤血球のヘモグロビンと結びついて酸素を全身に運ぶ働きをします。鉄が不足すると、疲労や貧血の原因になります。
【鉄を含む食品】
豚レバー、干しひじき、いわし、あさり、煮干しなど
[米国の医師が処方するサプリメント]
銅
銅は鉄の利用をよくして、ヘモグロビンの合成を助けます。銅は酵素の機能に関わって、幅広い作用をもたらすミネラルです。銅が不足すると貧血になる場合があります。
【銅を含む食品】
するめ、牛レバー、牡蠣、ゴマ、ココア、コショウなど
亜鉛
亜鉛は細胞の生成や体の成長に欠かせない重要なミネラルです。核酸やタンパク質の合成には欠かせません。
【亜鉛を含む食品】
牡蠣、するめ、牛レバー、魚介類、抹茶、玄米、糠、豆類、ゴマ、ナッツ類、海苔など
[米国の医師が処方するサプリメント]
セレン
セレンは抗酸化物質です。ビタミンEと共に過酸化脂質の増加を防ぐ作用があります。
【セレンを含む食品】
カニ、うに、カツオ、パン、中華麺、パスタ、納豆など
モリブデン
モリブデンは肝臓や腎臓で補酵素として作用します。
【モリブデンを含む食品】
玄米、枝豆、レバー、豆類、小麦、乾燥わかめ、バナナなど
ヨウ素
ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分です。甲状腺ホルモンが分泌されると、エネルギー代謝を高め、タンパク質の合成を促します。
皮膚や髪を美しく保ち、呼吸や心臓の働きを高める働きがあります。
【ヨウ素を含む食品】
海藻、魚介類
[米国の医師が処方するサプリメント]
マルチ・ミネラル
偏りがちなミネラルをバランス良く摂取するためには、マルチミネラルが簡単で便利です。
[米国の医師が処方するサプリメント]
最後に
毎日、食事を摂っているのに、「なんとなく気分が乗らない」「なんとなく体調がよくない」といった「未病」状態の人が非常に多いと言われます。
未病とは、「病院で検査を受けて、診断結果に異常は無いものの、健康ともいえない状態。」を意味します。
こんな時、誰に相談していいのか困りますよね。
そんな時、自分の心身に耳を傾けてみるのも大切でしょう。私たちの体にとって、必須栄養素であるビタミンやミネラルが不足していれば、元気が湧いてこないのは無理もありませんよね。
しかも、ビタミンとミネラルは体内で消耗していきますから、継続的に補給していきたいですね。
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