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紅茶の製法
紅茶は、茶葉を発酵させた完全な「発酵茶」です。紅茶の作り方は、大きく2つです。
オーソドックス製法
- リーフタイプ
- ブロークンタイプ
アンオーソドックス製法
- ローターバン製法
- CTC製法(紅茶の生産量の半分)
CTCは大量生産型の製法で、主にティーバッグ用として用いられます。
紅茶ティーバッグができるまで
紅茶ティーバッグができるまでの流れ。(再生時間:14分)
紅茶の成分
紅茶の主成分として、タンニン、カフェイン、テアニンの3つです。
タンニン
- タンニンは渋みの一種で、主にカテキン、ポリフェノールを多く含んでいます。
- ポリフェノールの一種に「紅茶フラボノイド」が含まれます。これらは、成人病の予防が期待できます。
- (効能)抗酸化作用、コレステロール抑制作用、動脈硬化抑制作用、血糖値上昇抑制作用、解毒作用、抗アレルギー作用、抗菌作用、消化促進作用、脂肪分解作用等
カフェイン
- カフェインは苦みの成分です。
- (効能)覚醒作用、大脳刺激作用、利尿作用、血液循環促進作用、新陳代謝促進作用、疲労回復作用など
テアニン
- テアニンはアミノ酸の一種で旨味成分です。
- (効能)紅茶に含まれるテアニンがカフェインの作用を抑制するため、コーヒーよりも穏やかに作用します。
紅茶に含まれる「紅茶フラボノイド」は体内の活性酸素を抑える抗酸化物質です。紅茶は体を温め、リラクゼーション効果があるため、午後のティータイムや心身ともにリラックスしたい時にマッチします。
紅茶の産地と種類
紅茶の主要産地はインド、スリランカ、中国、インドネシア、ケニアが挙げられます。
世界の三大紅茶の「ダージリン」「ウバ」「キームン」はこれらの産地で栽培されています。これらの産地は高温多湿で寒暖差が激しい気候のため、紅茶の栽培に適してます。
インド
インドの人口は13億1千万人を超え、近い将来、中国を超えて世界最大の人口を抱える国になると言われます。
インドはイギリスの植民地であった歴史的背景から、イギリス資本はインドでの紅茶栽培の研究を続けてきました。
そして、ヒマラヤ山脈地帯のダージリンで試験的に茶樹を植えたことがダージリン紅茶のスタートであり、生産量が拡大し続けてきました。
1947年、インドはイギリスから独立後も、世界第一位の紅茶生産量を誇ります。
インドを代表する紅茶はダージリン、アッサム、ニルギリ、ドアーズです。
ダージリン
ダージリンはヒマラヤ山脈地帯のダージリンで生産されている世界三大紅茶の1つです。この地域は霧が多いこともあり、マスカットフレーバーと呼ばれる香り高い紅茶が生産されています。
収穫時期によって、味と香りが異なりますが、その中でも春に摘まれるファースト・フラッシュは独特の香りがあることから人気があります。
アッサム
アッサムの主な産地は、ヒマラヤ山脈の大平原、アッサム地域です。アッサムは濃厚な味わいと甘みがあり、ストレートのみならずミルクを加えても風味が落ちない特徴があります。多くのアッサムはCTC製法でティーバッグ用として生産されています。
ニルギリ
ニルギリの産地は、スリランカに近いインド南西部の丘陵地帯です。ニルギリはセイロンティーに近い爽やかな味わいで主にブレンド用として栽培されています。
ドアーズ
ドアーズの産地は、インド北東部、ドアーズ地域です。主にCTC製法で作られ、ブレンドやティーバッグ用として栽培されています。
スリランカ
スリランカはインド洋に浮かぶ島で、世界三大紅茶のセイロンティーの産地です。
セイロンは、スリランカの旧国名でして、今もなお「セイロンティー(ウバ)」という呼び名で愛されている紅茶です。
他に、ディンブラ、ヌワラエリヤ、キャンディ、ルフナが挙げられます。
ウバ
ウバは世界三大紅茶のセイロンティーの一つです。ウバはスリランカの中央高地の東部、標高1,300m以上の高地で作られています。ウバはタンニンの含有量が多いことからも渋味はありますが、特有の香りがあり、渋みの中に爽快感を感じる味わいが特徴です。
ディンブラ
ディンブラはスリランカの中央高地の西部で作られています。ディンブラはタンニンの含有量が少なく、マイルドな味わいながらコクがあるのが特徴です。フルーティーな香りが漂うことから、アイスティーでも美味しくいただけます。
ヌワラエリヤ
ヌワラエリヤは標高1,800mの地域で作られています。ヌワラエリヤはセイロンティーのシャンパンと言われ、芳醇な花の香りを放つのが特徴です。
キャンディ
キャンディの産地は、スリランカ南部のキャンディです。キャンディはタンニンの含有量が少なく、クセが無い味わいが特徴です。アイスティーで美味しくいただけます。
ルフナ
ルフナの産地は、スリランカ南部の熱帯雨林地域です。ルフナの生産量は圧倒的でセイロンティーの約半分を誇ります。ミルクと煮込むチャイとして多くの人に飲まれています。
中国
そもそも紅茶のルーツは中国です。
中国の紅茶が17世紀初頭にヨーロッパに渡り、やがてイギリスの紅茶文化が作られていきました。
中国の紅茶は渋みが少なく、香りが豊かであるのが特徴です。
世界三大紅茶の1つとして、祁門紅茶(キームン)が有名です。
祁門紅茶
祁門紅茶の産地は、中国安徽省祁門県です。祁門は、キモン、キーマン、キーモンとも呼ばれます。祁門紅茶は蘭のような香りを放ち、タンニンが少ないため渋みが無く、コクのある味わいが特徴です。
インドネシア
2億5千万人の人口を抱えるインドネシア。
1万3千以上の島々で成り立つインドネシアは紅茶生産に適した気候から、世界第四位の紅茶生産量を誇ります。
生産地は主にジャワ島とスマトラ島で、1年を通して紅茶が生産されています。
ジャワ
ジャワティーで知られている紅茶。クセが無く飲みやすい紅茶です。
スマトラ
スマトラの産地は、スマトラ島のメダン高原です。ジャワよりも濃い水色が特徴です。
ケニア
紅茶の生産はケニアを中心に、ウガンダ、ダンザニア、マラウイ、モザンビーク、ジンバブエに広がります。
20世紀に入り、イギリス資本による開拓が始まり、紅茶の生産が拡大を続けてきました。主な輸出先はイギリスです。
ケニア
ケニアは赤道直下のケニア山周辺で栽培され、品質が高くコクと甘みがあることもあり、イギリスへ多く輸出されています。
紅茶の美味しいいれ方
紅茶を美味しくいれるには、ゴールデン・ルールと呼ばれる4つのポイントがあります。
正確な茶葉の量
茶葉の形 | 茶葉の量(1人分) |
リーフタイプ
(大きな茶葉) |
ティースプーン山盛り1杯
(約3g) |
ブロークンタイプ (砕いた茶葉) |
ティースプーン中盛り1杯
(約2.5g) |
水を沸騰させる
紅茶を入れる場合、ケトルに軟水を注いで沸騰させます。沸騰させる時間は、約1分間です。
ポットを使用
紅茶を入れる際、ポットを使用します。ポットに熱湯を注ぐことで、茶葉が動き回る「ジャンピング」という現象が起きます。これにより、茶葉の味と香りが熱湯に溶け込みやすくなります。
蒸らし
ポットに熱湯を注いでから、ジャンピング現象が落ち着くと、茶葉がポットの底に沈んでいきます。この蒸らし時間は約2~3分間です。茶葉の種類や好みに応じて、蒸らし時間を調整します。
[紅茶のジャンピング]
[アイスティーの入れ方]
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