抗酸化物質として「ビタミンC」や「ビタミンE」が有名です。植物である「野菜」や「果物」は、ビタミン類を多く含んでいます。
食や栄養に無関心な人であっても、ビタミンCやビタミンEを含む「野菜」や「果物」の摂取は、健康にいいことくらい知っています。
では、
なぜ、「野菜」や「果物」は「ビタミンC」や「ビタミンE」を多く含んでいるのでしょうか?
これに即答できる人は少ないと思います。
よく考えてみますと、これって不思議ではありませんか?
Contents
植物の光合成
自然界の植物は光合成により生きています。
植物の細胞内の葉緑体が
「太陽光」と「二酸化炭素(CO2)」を吸収して、
「栄養分」と「酸素(O2)」を作り出しています。
そして、植物は根から水分を吸収して、グングン成長していくのです。
拷問状態に見える植物
植物は晴天の日、日の出から日の入りまで太陽光を浴び続けます。
植物は人間のように、帽子をかぶったり、日傘をさしたり、日陰に入ることができません。植物は朝から晩までダイレクトに太陽光を浴びますから、言わば拷問状態に見えます。
特に、植物は真夏の炎天下で、過酷な環境下に置かれています。
人間から植物を眺めると、まさに灼熱地獄。
そして、太陽光には紫外線が含まれています。
植物にとって、紫外線は人間と同様に有害です。なぜなら、植物も紫外線を浴びると活性酸素が発生するからです。
活性酸素は「老化」や「成人病」の引き金になり、多くの病気の原因になると言われる有害なものです。
植物が紫外線を浴び続けると、活性酸素の発生により細胞がダメージを受けて、やがて枯れてしまっても不思議ではありません。
ところが、実際はどうでしょう?
植物は枯れるどころか、紫外線を含む太陽光を浴びながらも、グングン成長していきます。特に、南国のフィリピンやタイ、インドネシアに生育する植物の葉は大きく、どれもこれも生き生きと成長しています。
なぜでしょう?
植物は抗酸化物質を作り出す
植物のメカニズムは素晴らしいです!
植物にとっても紫外線は有害ですから、細胞内で発生した活性酸素を除去する必要があります。そのためには、抗酸化物質が必要なのです。
よくサプリメントの広告で「抗酸化物質」というコピーが躍っています。
「抗酸化」は読んで字のごとく、酸化に対して対抗するという意味です。抗酸化物質は健康にいい物質ですから、植物にとっても同様なのです。
むしろ、植物は過酷な環境下で生育しますから、豊富な抗酸化物質が必要なのです。
植物は自らビタミンを作り出す
植物は毎日、朝から晩まで紫外線を浴び続ける宿命を持っています。
だからこそ、
植物は懸命に、
細胞内で抗酸化物質である「ビタミンC」や「ビタミンE」を作って、
自分の身を守っているのです。
野菜や果物がビタミンCやビタミンEを多く含んでいるのは、このようなメカニズムが働いているからです。植物は太古の昔から、このようなメカニズムを身に着けて繁栄してきたのです。
植物って、スゴイと思いませんか?
生命の源
野生動物は大きく草食動物と肉食動物に分かれます。
草食動物は毎日、草を含めた植物を食べ続けます。野生動物のTV特集を視聴すると、草食動物はのべつ幕なしに植物を食べ続けています。そして、肉食動物は草食動物を襲って食べます。
自然界に生きる野生動物にとって、植物は欠くべからずの栄養源。植物が無ければ、草食動物は生きていけません。よって、肉食動物も生きていけません。
改めて、植物は偉大な存在であると感じざるを得ません。
そして、植物は人や草食動物に食べられても、食べられても、太陽光を浴びながら驚異的な生命力で種をまき散らして繁殖していくのです。
本当、植物ってご立派!
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